PRと広告にある大きな違いそれぞれのメリットや特徴を知って有効的に活用しよう | 東電タウンプランニング株式会社

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PRと広告にはそれぞれの特徴やメリット・デメリットなどの違いがあります。それらを理解した上で施策に取り入れ、マーケティングの質を向上させましょう。広告とPRを成功に導くコツや注意点も解説しますので、自社の宣伝活動を見直したいと考えている方はぜひ参考にしてみましょう。

PRと広告って?

PRと広告

PRと広告はどちらも一般的に世間に何かを知らしめる際の手段として知れ渡っている言葉です。ただ、それぞれにどんな意味や効果があるのかを詳しくご存知の方も少ないのではないでしょうか。今回はそれぞれの違いや特徴を詳しく解説していきます。

PRとは?

PRとはパブリック・リレーションズの略語で、組織とそれを取り巻く社会・集団が望ましい関係を構築する営みを意味します。端的に言えば、多くの人からの認知・理解・信頼を得るための宣伝活動です。

PRの目的

PRの目的は、企業と消費者のよい関係づくりです。自社の商品に興味や好意を抱いてもらい、共感を得ることでよい関係を構築します。また、よい関係性には社会全体との関係性も含まれ、社会の変化によってPRの手段や施策も変わっていきます。

PRの機能

公益社団法人日本パブリック・リレーションズ協会によると、PRの機能は次の5つです。

広報・PR活動の5つの機能

  1. 外部情報の受信(広聴機能)
  2. 外部情報の経営者・従業員への発信(情報参謀)
  3. 社内情報の受信(社内広報)
  4. 内部情報の従業員への発信(社内広報)
  5. 社内情報の対外的な公式発表(対外広報)

パブリックリレーションズとは – 公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会

PRの種類

企業によるPRを媒体別に見るとさまざまな種類があり、従来のPR活動と現代のPR活動には違いがあります。例えばテレビでの商品紹介や雑誌上での商品掲載は昔から行われているPR活動ですが、Webメディアが当たり前になった現代で活発なのは動画やSNSでのPRです。

広告とは?

広告とは、企業や団体が広告費用を支払って訴求したい内容を発信する促進活動を意味します。例えばテレビやWebサイトなどのメディアにある広告枠を買い取り、自社の商品・サービスを掲載するなどの方法です。

広告の目的

広告の目的は、商品の販売・企業価値・事業の成長を促進することです。この目的を達成するために、自社のターゲットに合ったさまざまな手段を実施します。

広告の機能

広告には、情報伝達を含めて以下のような4つの機能があります。

広告の4つの機能
  1. 情報伝達機能…消費者に情報を伝える
  2. 説得機能…興味を持った消費者に購買行動を促す
  3. 関係強化機能…企業の理念に共感してもらい、ファンやリピーターを増やす
  4. 社会的機能…社会問題を提起したり作品として楽しまれたりするなど

広告の種類

広告の種類を大きく分けると、オフライン広告とオンライン広告の2つです。両者の違いはインターネットを介するかどうかで、前者にはラジオCMや雑誌広告、看板など、後者にはWebサイト広告や動画広告、メール広告などがあります。

広告の種類に関してはこちらの記事で詳しく解説していますので詳しく知りたい方はこちらも参考にしてみましょう。

「広告 種類」記事リンク

PRと広告の違い

PRと広告の意味がわかっても、その違いを理解して説明するのは意外と難しいものです。ここではマーケティング視点でPRと広告の8つの違いを解説しますので、それぞれの違いを明確に理解してメリットを活用できるようにしましょう。

違い(1)情報の発信者

そもそもPRと広告では、情報発信者が違います。広告の発信者は商品やサービスをアピールしたい企業自身ですが、PRの情報発信者はテレビや新聞、一般人などの第三者です。

違い(2)料金発生の有無

情報発信者に違いがあれば、当然料金発生の有無にも違いが生じます。広告は企業が新聞やテレビなどの広告枠を購入して掲載するため、費用がかかるものです。一方のPRはメディアなどの第三者が企業の情報をもとに自主的に情報発信するため、原則として料金がかかりません。

違い(3)コントロールの可不可

発信者や料金発生の違いは、情報をコントロールできるかどうかの違いに影響します。広告運用は企業がコストをかけて実施するため、内容や発信のタイミングをコントロール可能です。一方で、PRはメディアなどが第三者視点で発信するため、コントロールができない違いがあります。

違い(4)情報内容の客観性

広告は商品・サービスを売り出す企業自身がコントロールできるため、主観的なメッセージになりがちです。他方、PRはメディアや個人などの第三者が発信するため、客観的な内容になりやすいという違いがあります。

違い(5)消費者の信頼感や受け取り方

主観性・客観性という違いは、消費者の受け取り方に影響を与えます。広告は主観的なため、消費者に「わざとらしい」と思われて嫌われやすい訴求になってしまうのです。一方PRはメディアや個人などの第三者が発信するため、客観的で消費者の信頼を獲得しやすいという違いがあります。

違い(6)発信情報の効果

広告の効果は即効性、PRの効果は持続性という違いがあります。広告は内容やタイミングをコントロールできるため、直接的効果を期待できます。一方、コントロール下にないPRは効果が出るまで時間がかかりますがが、継続的に話題になれば費用をかけずにメディア露出が可能です。

違い(7)情報拡散力

ターゲットに直接アプローチできる広告は即効性がありますが、PRと比べると好かれるのが難しいため、情報拡散力は高いとは言えません。これに対してPRは信頼や好感度を獲得しやすいので、口コミが広まって注目度が上がれば、一気に拡散される可能性があります。

違い(8)広告代理店とPR会社

広告代理店とPR会社は役割に違いがあります。広告代理店の役割は、依頼主の代理として広告活動を行い、さまざまな媒体への広告出稿をサポートすることです。一方、PR会社はメディアに報酬を支払わずに依頼主の商品・サービスを取り上げてもらうように働きかけます。

POINT プロモーションとの違いは?

PRと混同されやすい言葉としてプロモーションが挙げられますが、違いは活動の目的にあります。PRの目的は関係性の構築ですが、プロモーションは販売活動(セールスプロモーション)が目的で、ターゲットに対して自社の商品やブランドに関する情報発信するものです。

PRのメリット・デメリットと注意点

PRと広告の違いを比較すると、PRならではの強みや欠点が浮き彫りになります。ここではPRのメリット・デメリットに加え、宣伝活動にPRを組み込む場合の注意点も紹介していきましょう。

PRのメリット

PRと広告の決定的な違いは費用がかからないことと、費用対効果が高いことです。また広告と違い、客観的であることから消費者に信頼され、好意を持たれます。SNSで拡散されて話題になると、低コストで高い宣伝効果を得ることも可能です。

PRのデメリット

PRと広告は情報発信の確実性に違いがあり、PRはコントロール不可能です。企業の意図とは異なる情報として発信される可能性があるだけでなく、いくら企業側で情報提供しても第三者が価値を感じないとそもそもメディアに掲載される機会もありません。

PRの注意点

PRで特に注意したいのがステルスマーケティングです。これは宣伝であることを隠してPRする方法で、ユーザーからの批判を受け、悪影響を及ぼす可能性もあります。「PR」「プロモーション」など広告であることがわかるように明記しましょう。

PRが適しているケース

PRは広告と違い、時間をかけて世の中に情報を伝達していく傾向があるため、長期的戦略に基づいたブランドの価値構築やイメージ戦略などに適しています。また、メディアに掲載されるという特徴を踏まえると、検索上位になるような話題性のある宣伝にも最適です。

POINT 現代では「PRファースト」が広まる

PRファーストとは、従来の広告掲載後のPR活動とは違い、広告に先駆けてPRによって市場を作り出すという考え方です。これまでとは明らかに違いがあるこのような手法が広まっている背景には、Webメディアの浸透があります。企業からの一方的な情報に従わず、ネットでさまざまな情報を自ら取得・分析して自分に合った商品を選び出そうとする消費者の動向が影響しています。

広告のメリット・デメリットと注意点

PRと広告の違いを理解すると、広告にしかできないことや広告だからこそ気をつけたいことが見えてきます。ここではPRと広告の違いからわかる広告のメリット・デメリットと注意点を解説しましょう。

広告のメリット

広告はPRと違い、広告主となる企業が訴求内容・掲載媒体・掲載時期を自らの裁量で決定できるのがメリットです。また、ターゲット層を絞った宣伝が可能で、特にネット広告では年齢・性別・地域・職業・興味関心などのデータをもとに、特定の対象に向けた広告掲載ができます。

広告のデメリット

PRと違い、広告は費用がかかります。そして、かけたコストに見合う成果を得るためには広告運用の知識やノウハウが必要で、習得は簡単ではありません。さらに広告はPRと違い主観的であるため、ユーザーに歓迎されにくいというデメリットもあります。

広告の注意点

広告には数多くの注意点がありますが、特に重要なのが景品表示法違反です。例えば根拠がないにもかかわらずダイエット効果をうたうサプリメント広告や、実際には値引きされていないのに値引きを錯覚させる広告など、消費者に誤解を与えるような表現に注意しましょう。

景品表示法 | 消費者庁

広告が適しているケース

年齢・性別・地域などターゲティングから内容・掲載日時などを企業裁量で決定できるため、確実に成果を狙いたい時の宣伝に適しています。

PR×広告が融合した新しいマーケティング方法

PRと広告には違いがあり、その違いを理解した上で使い分けることが重要ですが、昨今はPRと広告が融合した新しい施策も登場しています。これは、消費者がネット上の第三者の意見を参考にする機会が増えたためです。ここでは、現代の新しいマーケティング方法を4つ紹介します。

ネイティブ広告

ネイティブ広告とは、Web上のコンテンツに違和感なく溶け込む記事広告です。通常の記事と融和性のある広告のため、読者に不快なイメージを与えず、広告がクリックされやすくなるメリットがあります。種類が多く、ターゲット層や広告の目的に合った施策を実施できます。

ネイティブ広告の例
  1. リスティング広告…検索したキーワードと連動してテキストで表示される広告(Googleの検索結果ページなど)
  2. インフィード広告…SNSのコンテンツ中に表示される広告(ニュースアプリのタイムラインなど)
  3. プロモートリスティング広告…サイト内で検索した結果一覧に出てくる広告(Amazonの「スポンサー」がついた商品など)

記事広告

記事広告とは、Webサイトに掲載される記事風の広告です。自社目線ではなく、第三者目線のPRのように商品を紹介するため、読者の信頼を得やすい特徴があります。記事の見出しや記事内などに「広告」「PR」などと明記され、通常記事との違いを認識できるようになっています。

記事広告の例
  1. 一般記事…製品紹介記事や自社の商品比較記事など
  2. インタビュー・対談記事…開発者へのインタビューや著名人との対談記事など
  3. メディアミックス…漫画タイアップ記事など

オウンドメディア

オウンドメディアとは企業が自社で所有するメディアのことで、自社のブログ、会社案内、パンフレットなどが含まれます。施策の目的は、ユーザーに役立つ情報をコンテンツ式で提供し、集客することです。

オウンドメディアの例
  1. ブログ…ユーザーに役立つ情報を提供することで、ブログから企業サイトへの流入やSEOに強い企業サイトの構築が期待できる
  2. ブランドサイト…ブランドの認知を意図して構築されるWebサイトで、ブランドの世界観の体験によってユーザーに価値を感じてもらうための施策
  3. カタログ…購買意欲が高い人や商品に興味を持つ人がターゲットの施策で、パンフレットよりも自社の商品・サービスを詳しく紹介できる

インフルエンサーマーケティング

インフルエンサーマーケティングとは、SNSで影響力のある人気インフルエンサーに自社の製品やサービスを取り上げてもらう方法です。インフルエンサーの発信は多くのフォロワーたちから賛同を得るため、企業は彼らに商品をPRしてもらい、認知・購入を目的とした宣伝にします。

インフルエンサーマーケティングで使われる媒体例
  1. YouTube…ユーザー層が幅広いため自社にのターゲットに合った施策ができる
  2. Instagram…写真映えする商品・サービスと相性がよい
  3. Twitter…拡散力が高く、話題を作り出せる
  4. TikTok…10〜20代のZ世代ユーザーが多く、トレンドを生み出せる

広告とPRを成功させるためのコツ

広告とPRには明確な違いがありますが、それらの違いを理解した上で成果を出すには、どのような視点でどんなことを実施するとよいのでしょうか。ここでは広告とPRの違いを踏まえた上で、双方を成功に導く3つのコツを紹介します。

コツ(1)IMCを意識して発信する

IMC(Integrated Marketing Communication)とは、実店舗やパンフレット、HPなど顧客と接点になるチャネルを統合的に管理する戦略です。IMCを意識して広告やPRを発信すると、宣伝に一貫性が生まれて正確なイメージが伝わります。

コツ(2)社内で企業理念やブランドイメージを共有する

IMCを意識したマーケティングは一貫性が重要です。そして、手段や目的に違いがある広告とPRに一貫性を持たせるには、企業理念・ブランドイメージの社内での共有や定期的な周知が求められます。PRと広告に違いがあるからこそ、ブレない共通認識が必要です。

コツ(3)メッセージを明確にする

例えばSNSでの広告発信と紙媒体でのPR活動が同時の場合、両者の内容に大きな違いがあると消費者は不信感を抱くことがあります。PRはコントロールできないからこそ、プレスリリースではシンプルで明確なメッセージを発信し、結果としてブレない内容になるようにしましょう。

PRと広告の違いを理解してうまく活用しよう

宣伝効果を高めてマーケティングの質を向上させるためには、PRと広告の違いを理解することが重要です。そのうえで、時には両者を使い分けたり、また時には統合的な手段として活用したりと、それぞれのメリットの違いを活かせるような施策を練りましょう。