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広告には非常に多くの種類があり、インターネットが普及した現代ではますますその種類が細分化しているため、どの広告を活用すればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、広告の種類ごとの特徴やメリット・メリット、費用の目安、期待できる効果を解説します。

広告は大きく分けて2種類

広告は多くの種類に細分化できますが、大きく分けるとオンライン広告とオフライン広告の2種類です。まずは2種類の広告の内容を大まかに理解し、広告にはどんなものがあるのかをイメージしてみましょう。

種類(1)オンライン広告

オンライン広告とは、ホームページ、ブログ、SNS、メールなど、インターネット上にあるメディアに掲載される広告手法です。広告はテキストや画像、動画などを活用して制作され、ユーザーが広告をクリックすると広告主のホームページやプロモーションサイトなどへアクセスできます。

種類(2)オフライン広告

オフライン広告はインターネットを介さない広告全般を指すものです。

マス広告とセールスプロモーション広告の2種類に分類されることが多くなっています。

マス広告

マス広告とは「マス」つまり不特定多数の消費者に向けて発信される広告手法で、テレビCMや新聞広告などのことです。特にテレビ・ラジオ・新聞・雑誌は4大マスメディアと呼ばれ、インターネットの普及によって広告売上が下がった昨今でも、一定の影響力があります。

セールスプロモーション広告(SP)

セールスプロモーション広告とは、販売促進を目的に実施されるオフラインの広告手法です。折込チラシ、ダイレクトメール(DM)、店頭イベントなどの手段を使って、消費者の購買意欲を引き出します。

POINT昨今の広告売上高の動向は?

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査(2022年11月分)」で広告の売上高を比較すると、4大マスメディア広告が全て前年比マイナス、オンライン広告や屋外広告が前年比プラスとなっています。特に下げ幅が大きかった広告の種類は雑誌でマイナス12.1%、上げ幅が大きかったオンライン広告はプラス5.0%です。昨今、4大マスメディア広告の前年比マイナスが続く一方で、オンライン広告は前年比プラスが続く傾向にあります。

調査の結果|特定サービス産業動態統計調査|経済産業省

オンライン広告の種類や特徴

オンライン広告の特徴は、インターネット利用者の属性・興味関心などのデータを活用し、ターゲットにマッチした広告を配信することで、効率的なプロモーション活動ができることです。ここでは、オンライン広告の種類とその特徴や費用・効果の一覧を紹介しますので参考にしましょう。

種類(1)ディスプレイ広告

ディスプレイ広告はバナー広告とも呼ばれ、インターネットメディア上の広告枠内に画像・動画・テキスト形式で表示されます。ビジュアル表現によりユーザーの目にとまりやすく、自社の商材の魅力を伝えやすいのがメリットです。

ディスプレイ広告の費用・効果
  • 【費用目安】1クリックごとに約50〜100円や1,000回表示ごとに約10〜500円など、広告の種類や課金方式などによって異なる(制作費などは別)
  • 【期待できる効果】指定した属性の潜在層へのアプローチ、ビジュアル訴求による自社商材のブランディングなど

種類(2)ネイティブ広告

ネイティブ広告は、webコンテンツに違和感なく溶け込む広告です。ユーザーに不快感を与えず、広告がクリックされやすくなる特徴があります。検索キーワードと連動して表示されるリスティング広告や、SNSのコンテンツに表示されるインフィード広告など、種類はさまざまです。

ネイティブ広告の費用・効果
  • 【費用目安】1クリックごとに約20~70円や1,000回表示ごとに約400~650円など、プラットフォーム、広告の種類、課金方式などによって異なる(制作費などは別)
  • 【期待できる効果】ストレスを与えずに自社商材の訴求、クリックによる自社サイトへの訪問者増加など

種類(3)リスティング広告

ネイティブ広告の1つであるリスティング広告は、検索エンジンの検索結果に連動する広告です。ユーザーが特定のキーワードを検索している時、つまり関心を持っている時に表示されるため、クリックされやすいのが特徴です。費用対効果の高い広告の1つであると言えるでしょう。

リスティング広告の費用・効果
  • 【費用目安】クリック単価×クリック数で計算されるため一概には言えないが、広告代理店に依頼する場合の最低出稿金額の相場は約30万円前後
  • 【期待できる効果】特定のターゲットへの認知度向上、クリックによる自社サイトへの訪問者増加など

種類(4)SNS広告

Twitter、LINE、Instagramなどのプラットフォーム上で配信される広告は、まとめてSNS広告と呼ばれます。SNSの登録情報などを活用したターゲティングによって、効率のよい広告配信が可能です。また、広告がタイムラインに違和感なく表示されます。

SNS広告にはそれぞれ以下のようなメインとなるユーザー層と特徴があります。広告の効果を最大化するには各SNSごとのメインユーザーを踏まえた使い分けが必要です。

SNSメインユーザー特徴
LINE全年齢層・日本で最も利用されるプラットフォーム・販促や集客に便利な機能が無料で使える
Twitter10〜30代・リツイートによる情報拡散力が強み・顧客の声が店舗に届き、口コミ効果も得られる
Instagram20〜40代・おしゃれな写真や動画で視覚的にアピール・ショッピング機能で認知〜購入までがスムーズ
Facebook30〜40代・実名のためビジネスアカウントが多い・企業の経営者などにもアプローチ可能
YouTube全年齢層・動画にすることで多くの情報を届けられる・Google検索結果の上位表示が期待できる
TikTok10〜20代・拡散力が高くうまくいけば知名度が上がる・低コストで動画の編集や作成が可能

総務省「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 報告書」

SNS広告の費用・効果
  • 【費用目安】1クリックごとに約24円〜やアプリ1インストールごとに約100円〜など、SNS媒体や広告の種類、課金方式などによって異なる(制作費などは別)
  • 【期待できる効果】特定のターゲットへの認知度向上、クリックによる自社サイトへの訪問者増加、自社商材のブランディング、購買行動促進など

種類(5)インフルエンサー広告

SNSで影響力のあるインフルエンサーが商材を取り上げるPR的手法をインフルエンサーマーケティングと呼び、企業や代理店が彼らを起用して宣伝活動するのがインフルエンサー広告です。この種類の広告はフォロワーの共感を得やすく、抵抗なく受け入れられる傾向にあります。

インフルエンサー広告の費用・効果
  • 【費用目安】広告展開の手法やプラットフォームによって単価が異なるが、例えばInstagramでのフォロワー10万人のインフルエンサーに依頼する場合、フォロワー数10万人×単価4円=40万円など
  • 【期待できる効果】違和感のない状態で特定のターゲットへの認知度向上、自社商材のブランディング、共感を集めた上での購買行動の促進など

種類(6)web上の動画広告

個人所有デバイスの普及や通信環境の改善などによって、昨今注目されているのが動画広告です。例えば、YouTube動画の冒頭や合間に流れる短時間の広告などが挙げられます。伝達できる情報量が多く、印象に残りやすいのがメリットです。

web上の動画広告の費用・効果
  • 【費用目安】1クリックごとに約3〜や30秒の視聴ごとに約2円〜など、広告の種類によって大きく異なる(動画制作費などは別)
  • 【期待できる効果】狙ったターゲットに対する認知度向上、自社サイトへの訪問者増加など

マス広告の種類や特徴

マス広告は不特定多数向けの広告手法のため、商品・サービスの認知拡大に適しています。商品を知らない層へのアプローチやインターネットに不慣れなシニア層への訴求が可能です。では、特徴や費用・効果の一覧を見ながらマス広告の種類をチェックしてみましょう。

種類(1)テレビ広告

テレビはインターネットに押されつつあるものの、いまだに強い影響力を持つ媒体で、映像や音声によって視聴者にアピールできるのがテレビCMの強みです。長期間のタイム広告と短期間のスポット広告の2種類があり、クレジット枠に「提供」として企業名が掲載されます。

テレビ広告の費用・効果
  • 【費用目安】民法キー局の場合15秒1本で40万円〜など(制作費別)※放送局や時間帯で異なる
  • 【期待できる効果】広いターゲットに向けた商品やサービスの認知度向上など

種類(2)新聞広告

新聞は他の種類の媒体と比べて社会的信用が高いため、新聞の広告枠に掲載される広告や広告主となる企業、その商材も信頼されやすい特徴があります。ただし、新聞の購読者が減少しており、特に若者へのリーチが困難なことがデメリットです。

新聞広告の費用・効果
  • 【費用目安】1段以上・1段あたりの費用で約100万円〜など※掲載場所・サイズによって数十万〜数百万円と幅広い
  • 【期待できる効果】シニア層に対する自社商品・サービスの認知度向上、信頼度向上など

種類(3)雑誌広告

雑誌はグルメや旅行など特定のジャンルに興味がある読者に向けた広告を発信できる特徴があり、ターゲット層にピンポイントで訴求できます。雑誌広告は編集タイアップ広告と純広告の2種類で、前者は編集者が作成し、後者はコンテンツの一部として掲載される種類の広告です。

雑誌広告の費用・効果
  • 【費用目安】カラー1ページ、4色で約125万円〜など(制作費別)※発行部数や広告の種類、サイズ、カラーorモノクロで費用が異なる
  • 【期待できる効果】購読者層へのピンポイントの訴求、ブランド力の向上など

種類(4)ラジオ広告

ラジオ番組の合間に流れるCMは、放送時間帯によってターゲットが変わる特徴があります。したがって、自社の商品・サービスにマッチした時間帯の番組内での広告展開が必要です。また、4大マスメディアの中で地域性が強い媒体のため、地域に密着した内容の広告に適しています。

ラジオ広告の費用・効果
  • 【費用目安】20秒1本で約65,000円〜など(制作費別)※地域や長さによって異なる
  • 【期待できる効果】地域ユーザー間での認知度向上、イメージャリートランスファー効果(ラジオCMを聞いてテレビCMなどの他の広告を思い出し、購買意欲になる)など

セールスプロモーション広告の種類や特徴

セールスプロモーション広告は街中や電車の中など顧客との接点が限定されますが、直接的アプローチになる分、購買行動につながりやすいという特徴があります。ここでは、6つのセールスプロモーション広告を紹介しますので、特徴と費用・効果の一覧をチェックしましょう。

種類(1)折込チラシ

折込チラシは新聞に挟み込んで読者へ届けられるため、新聞媒体が持つ信頼性が広告に影響を与えるメリットがあります。若年層よりもシニア層へのアピールに適しているのが特徴です。他のチラシに紛れて見てもらえない場合もあるため、興味を引く工夫が必要となります。

折込チラシの費用・効果
  • 【費用目安】B4サイズ1枚で約3円程度※紙の種類、サイズ、配送料の有無によって費用が変わる
  • 【期待できる効果】特定エリアの消費者やシニア層を短期間で集客、自社・店舗・商材の認知拡大など

種類(2)屋外広告

電柱広告や屋上広告、壁面広告など外の目立つ位置に掲げられる種類の広告は、まとめて屋外広告に分類されます。遠くから見ても情報がすぐ伝わるようにキャッチーな表現と目立つデザインになる傾向があり、外を歩く人の興味関心を問わず強制的認知になるのが特徴です。

屋外広告メインユーザー特徴
屋上看板付近を通行する不特定多数・通行人が多い駅付近に設置されること多く、遠くからでも目立つ・看板の設置場所、サイズ、向きなどのよって価格はが大きく異なる
電柱広告付近を通行する不意特定多数・デザインに一定の規定はあるが、他の広告よりも低価格で、手続きがシンプル・定期的なメンテナンスもあり、長期間手間を掛けずに広告の掲載が可能
屋外ビジョン付近を通行する不特定多数・映像や音声を放映する広告で、繁華街のビルの壁面などに設置される・インパクトのある内容は話題になりやすく、認知度の向上も可能
野立広告付近を通行する不特定多数・交差点や路地などに設置される看板広告のこと・走行中の車や通行人などに向けて発信し、店舗やその駐車場の場所を知らせたり、衝動的な来店につなげたりする
屋外広告の費用・効果
  • 【費用目安】例えば屋上広告は約20万円〜など※設置場所、広告の種類、サイズなどによって金額にかなりの差がある
  • 【期待できる効果】何度も見ることで社名・商材名を覚えてもらえる反復訴求効果、衝動的な来店行動の促進など

種類(3)交通広告

バスや電車、タクシーなどの交通機関に掲載される種類の広告は、まとめて交通広告と呼ばれています。地域性の強い広告に適しており、通勤・通学中に何度も繰り返し広告に接する状況を作ることで反復訴求効果が期待できます。公共性があり、信頼を得やすい種類の広告です。

交通広告メインユーザー特徴
電車広告電車利用者・車内の中吊り広告やステッカー、ポスターなどは電車利用者に見てもらいやすい・車体広告は電車利用者が乗車する際のアピールとなり、毎日利用する通勤・通学者には繰り返し訴求できる
駅広告電車・駅利用者・​​改札口や駅ホーム、階段などに掲出される広告で、大型サイズや柱巻きサイズなど大きさはさまざま・電車広告よりも利用者を絞れるため、エリアを明確にした訴求が可能
バス広告バス利用者・周囲の通行人・バス内の広告は通勤・通学利用者に繰り返しアピール可能・車体の広告は走行中バスの周囲にいる通行人への訴求となる
タクシー広告タクシー利用者・周囲の通行人・乗車した利用者に向けた車内の広告と、通行人にアピールする車体広告がある・​​​​タクシー利用者はビジネスマンや高齢者など特定の利用層に集中しやすいため、ターゲットを明確にして広告発信できる

交通広告の費用・効果
  • 【費用目安】タクシーの窓ステッカー1枚約900円〜/月、バスの車内広告1枚約3万円〜など※交通機関の種類や広告のサイズなどによって金額が大きく異なる
  • 【期待できる効果】繰り返し何度も見ることで社名・商材名を覚えてもらえる反復訴求効果、特定エリアの消費者に対する認知度向上など

種類(4)郵送のDMや同封・同梱広告

郵送DMは会員登録をしている顧客へ送る印刷物で、同封・同梱広告は商品や他の印刷物に添えて送る手法です。既存の顧客データを活用して広告を届けられるため、費用対効果が高い特徴があります。単に送るだけではなく、手書き文章を添えるなど購買行動を促す工夫が必要です。

郵送DMや同封・同梱広告の費用・効果
  • 【費用目安】DM1枚約35円〜、同封・同梱チラシA4サイズ1枚約5円〜など(印刷代などは除く)※サイズ、カラーorモノクロなどの条件で費用が異なる
  • 【期待できる効果】既存客・新規顧客に対する自社商材の認知度向上、顧客に対して直接的アプローチで購買行動を促進など

種類(5)会員誌広告

会員誌とは企業や団体が会員に向けて定期的に発行する冊子で、内容は情報共有や商品・サービスの紹介などさまざまです。会員誌に掲載される広告は特定のジャンルに絞ったターゲティングが可能で、他の媒体よりも読者の信用を獲得しやすく、高い反響を期待できる特徴があります。

会員誌広告の費用・効果
  • 【費用目安】1部約1円~12円×発行部数など※発行元、サイズ、掲載場所、カラーorモノクロで費用が異なる
  • 【期待できる効果】自社商材に合致したターゲットへの認知度向上、商品・サービスの購買行動促進など

種類(6)イベントプロモーション

イベントプロモーションとは、イベントの開催によって集客し、商品・サービスの認知を高めて魅力を伝える活動です。具体的には、店舗で開催するパターンと外部のイベント会場で開催するパターンの2種類があります。商品の魅力が直接伝わりますが、準備負担が大きいのが欠点です。

イベントプロモーションの費用・効果
  • 【費用目安】講演会約40万円〜、ブース出展約90万円〜など※イベントの種類、規模、場所などによって大きく左右される
  • 【期待できる効果】自社商材の認知拡大、短期間での顧客獲得など

ターゲットに合った広告の種類を選択しよう

広告には非常に多くの種類があり、特徴やメリット・デメリット、費用目安、期待できる効果が異なります。重要なのはターゲットにマッチした広告の種類を検討し、費用対効果の高い広告を目指すことです。今回の記事を参考にして、効果的な広告展開を実現しましょう。